2018年2月6日火曜日

景気が良くなるほど借金が増える通貨制度

普通の人はこう考えます。「景気が悪くなると世の中の借金が増え、景気が良くなると世の中の借金が減る。」しかし実際には景気が良くなるほど借金は増えるのです。

確かに、私達の身の回りでは、景気が悪くなると生活に困って借金する人が増え、景気が良くなると生活が楽になって借金する人が減りますその日常経験から、大多数の人は「景気が回復すると世の中の借金が減る」と考えているでしょう。日常体験だけで経済を考えるならそうなります。

ところが、バランスシートから経済をマクロ(全体)として考えると、人々の日常感覚とはまったく逆の現象が生じています。すなわち「景気が回復すればするほど、世の中の借金がどんどん増える」のです。

これは、ちょっと金融緩和政策について考えてみればわかることです。金融緩和は何をしているのでしょうか?世の中におカネを流していると思ったら大間違いです。銀行の貸し出し元本を増やしているだけです。そして、これは新聞テレビでも言ってますが、「企業が銀行からおカネを借りて投資すると景気が良くなる」。つまり金融緩和とは借金を増やすための政策なのです。

景気が良くなる=企業の借金が増える。

企業だけではありません。景気が良くなると耐久消費財である自動車やマンションなどの売れ行きが良くなります。とはいえ、即金でポンと買う人はまれであり、ほとんどがローンで購入します。ローンとは借金です。借金が増えることを意味しているのです。

景気が良くなる=個人の借金が増える。

というわけですから、景気が良くなるほど世の中の借金はどんどん増え続けます。その結果、もし日銀が金利を引き上げ(=出口戦略)たらどうなるか?たちどころに、借金の「金利支払い」が企業や家計に重くのしかかります。その結果、投資や消費が減って不況に突入します。景気が良いほど借金の額も大きく膨らむわけですから、好景気ほどその反動は大きく、借金の返済により多くの時間がかかり、長期不況になります。たとえば、バブル景気の後の失われた20年のように。

いい加減に、こういうバカバカしいマネーゲームは止めにしませんか?これらの原因である現代の通貨システムを改革しましょう。