2018年3月28日水曜日

日本の格差は「緊縮型格差」だ

社会に格差が広がっているとの声が多く聞かれます。ではどのような形で格差が生じるのでしょうか?考えてみると格差には2つの発生パターンがあると思えるのです。

パターンA:富裕層におカネがドンドン集中する。

富裕層がますます富むことで格差が広がるパターンです。中低所得層の所得が伸びずに、高所得者だけがどんどん豊かになるから差が開くわけです。バブル型、勝ち組・負け組み型とでもいえましょうか。アメリカはこれじゃないかと思います(推論)

パターンB:富裕層はそのままだが、貧困層が増える。

富裕層の所得は増えないが、中所得者が貧困化して貧困層が増えるため、格差が広がるパターンです。富裕層の所得は増えていませんから、富裕層にとっては「格差が広がった」と言うほど、自分達が富を独占している気にはなりません。なので「格差拡大のために高所得者の税金を上げろ」と言われても怒るだけです。これは「緊縮型」あるいは「デフレ型」と呼ぶべきだと思います。



日本の給与階級別分布のデータを見ると、1995年から2015年にかけて、年収400万円以上の階級のほとんどで数が減り、代わりに年収100~200万の低所得層が大きく増加しています。高額所得者も貧困化している、つまり、日本の格差の原因は、

すべての労働者が貧困化した

というわけです。少なくとも、給与所得者について言えば、勝ち組が所得を増やしたのではなく、「すべての労働者の所得が減った」なのです。なぜか?緊縮、デフレだからです。世の中のおカネが回らなければ、労働者の賃金も上がらない。

日本の格差は「緊縮型格差」、
すべての労働者が負け組みなのです。