2018年4月16日月曜日

増税するなら消費税じゃなく金融資産課税

基本的にデフレ期に増税する必要はまったくないと思います。それでも増税したいのであれば、消費税は大間違いであり、膨れ上がり続ける金融資産に課税すべきでしょう。

なぜ消費税の増税が間違いなのか。勤労世帯における有業者1人当たりの給与と、世帯1人当たりの消費金額の長期推移をみます(単位は月額円)。給与所得者の所得が低下し、消費も下がり続けています(消費支出には税も含むので、実消費は消費税の分だけさらに減少している)。このような状況で消費税を増税すれば国民が貧困化するだけでなく、間違いなく消費が減って景気が悪くなるでしょう。



一方、金融資産の推移をみます(単位は億円)。ここでは金融資産から金融負債を引いた純資産の額で示しています。企業がカネを貯めこんでいるといわれますが、貯め込む企業がある一方で、カネを借りる企業も増えているため純資産としてはそれほど増えていません。家計の金融資産はどんどん増加して続けています。家計の純資産としては1500兆円を超える勢いです。こんなにおカネがあるのに景気は良くなりません。なぜなら「貯めこまれたまま使われていない」からです。



こうした状況ですから、死蔵されているおカネ(金融資産)に課税して吸い上げ、低所得者の所得支援あるいはベーシックインカムとして全国民に再分配すれば、消費が増加して景気も良くなると考えられます。例えばわずか1%課税するだけで15兆円(消費税6%に匹敵する)も再分配が可能になります。

もちろん、デフレの現在、増税の必要があるとは一切思えません。通貨発行によるヘリコプターマネーで「増税なき財政再建」も十分に可能でしょう。しかし、そんなに財務省や新聞マスコミが増税したいのであれば、消費税の増税は大間違いであり、正しい方法は膨れ上がり続ける「金融資産への課税」だと思うのです。